最初に明治大学名誉教授の中邨章先生の基調講演を拝聴しました。テーマは、「議会改革の実績と議会力の向上」です。
現在門真市の議会改革協議会においても検討事項に挙がっている「議会基本条例」について、ここ10年間の考察と課題が示されました。議会基本条例は、議会に関する意識、認識を深め、議会内組織の検討改革に寄与する反面、条例を制定しても、形骸化し、真の改革に結びつかないリスクがあり、それが課題であるとのことです。作ったものの、結局形骸化するようでは、やはり良くないので、この点はしっかりと検討してまいりたいと思います。
また、地方議会の政策展望として、電子政府の提言がありました。デジタル5と呼ばれるのは韓国、イスラエル、イギリス、ニュージーランド、エストニア。中でも、スカイプを産んだエストニアではICT化がたいへん進んでいるとのこと。
門真市議会でも、議会改革でICT化をすすめ、タブレットを導入していますが、まだまだ今後、議会におけるICT化による効率化の可能性は拡がると考えられます。
中邨先生はこれからの議員像として、
1 国・首長に立ち向かう議員
2 Look Around 外部志向のつよい議員
3 ICTを駆使できる議員
4 勉強をする議員、族を目指す議員
5 むかしを振り返らない議員
の5つを挙げておられます。
このうち特に、外部にも目を向けること、ICTで効率化をはかれること、そしてよく勉強することなど、私も同意見ですので、さらに努力を重ねてまいりたいと思います。
第2部では、「議会改革をどう進めていくか」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。
駒澤大学教授の大山礼子先生は、投票率の低下、議員構成(女性、若者が少ない、職業分布の偏り)の偏りを課題として示されました。
門真市議会では女性議員の割合は、24%で、これは全国の市議会平均(25年度)13.1%よりも、かなり高いです。
日本全国では、まだまだ女性議員が少ない、と言えます。
国民の半分が女性なのですから、13%では少ない、ということです。この点においては、門真市は、より開かれている議会であると考えることができます。
また、東京大学教授の金井利之先生は、議会基本条例、議会改革について、厳しい指摘を次々とされました。議会基本条例の形骸化の危険性、政務活動費は議員に現金をさわらせないようにして、解決すべきであると。
たしかに、他市において政務活動費で数々の問題が発生している現実があるので、制度改革が必要だと思います。
金井先生のご意見の中で、日本では立候補することのリスクが高い、ということから、「結果的には、リスクを負わない世襲・地縁的な家業としての政治屋か、年金生活者か、自営業者しか、あるいは、リスクをものともしない一発屋か、しか立候補できない。極めて不健全である」というご見解がありました。ずいぶんスパッと斬り込んだご指摘ではありますが、なかなか明確かつ厳しい分析だと思います。
また、議員提案の政策条例については否定的なご意見で、予算チェックこそが重要、そこに政策判断も含まれる、と示されました。
同志社大学大学院教授の新川達郎先生は、議会基本条例は「理念」を生かさなければならないこと、議会改革の「検証」を十分に行うべきことを示されました。そして、住民意見聴取の重要性、それもできるだけ広く意見を聞く、と。これは最も重要なことであり、全くその通りだと思います。
そして、もうお一人、姫路市議会議長 川西忠信先生は、姫路市で23年に制定された議会基本条例の具体的な取り組みについて発表されました。姫路市では、反問権を導入し、6年間で2.3回、実際に行使されたとのことです。今後の方策として、本会議や委員会を市民に身近に感じてもらうこと、予算決算審査のあり方の見直しを挙げられ、これは門真市議会にとっても同様の課題があり、やはり地方議会どこでも、難しい問題が共通していると思いました。特に議会を身近に感じてもらうことはなかなか難しい課題です。姫路市では議員47名中、女性は5人。割合は、11%です。門真市は、かなり高いですね。
研究フォーラムは、明日に続きます(*^_^*)