7/31に行われた、令和元年度 第1回 門真市社会教育委員会議 を傍聴しましたので、遅くなりましたがブログをアップします。
会議の内容は、旧一中跡地に建設予定の、生涯複合施設 のあり方についてと、サウンディング市場調査について、の二点。
門真市旧第一中学校跡地整備活用方法検討プロジェクトチーム (=市役所)が作った資料について、社会教育委員の方々(=有識者)からご意見をいただく、という会議です。
当日の資料をお示しします。
この内容につき、委員の方からは、様々なご意見が出されました。
・まちのイメージで「違い」「らしさ」とは具体的に何か。まちのコンセプトやターゲットにどう繋がるのか。
・不登校などの問題で、大人と子どもたちの繋がりの希薄が言われている。地域のたまり場、とあるが具体的にどうしていくのか
・子ども達が小学校区外に出ていくには安全性の問題がある、子どもが走り回っているようなまちの安全性をどう確保するのか。
・箱もの(ハード)は作って終わりではない、中身(ソフト)が大事。
・高齢社会としての現状を考えれば、子育て世代だけでなく、全世代型のコンセプトにすべきではないか。
・門真の強み、弱みを踏まえ、これまでのレガシーを活かしたまちづくりをすればどうか。
・地域の高齢世代と保護者世代に溝がある、これを埋めるような交わりを狙いとするなら納得できる。
・子育てファミリー、というのは、これまで、さんざん、使われてきたし言われてきた。耳障りの良い言葉だが、今からこれをターゲットにするのは意味があるのか。
…等々。それぞれごもっともなご意見であり、活発にご発言いただいたことを今後参考にしながら、内容が今後さらにブラッシュアップされていきます。
さて、私も、「子育てファミリー層」にのみ特化しているかのような設定には疑問を持たざるを得ません。
確認したところ、PTの議論の中でも、高齢社会の現実的な視点はもちろん出ていたそうで、委員の先生方が指摘された「アクティブシニアの活動場所としてのまちづくり」というコンセプトも、ちゃんと話の俎上には上がっていたようです。しかし、ターゲットを絞り込む時点で、最終的に「子育てファミリー層」に特化してしまったと。
私は、政策というものは、今を見て、明日をつくるものであり、内容によっては10年先、25年先、50年先を思い描いて立案しなければならない、と考えています。
今回の、生涯学習複合施設 については、今の現状(=超高齢化社会)を見れば、アクティブシニアを外すことなど考えられない。そして、50年先まで思い描くならば、今の子ども達が子育て世代からシニア世代になっても、立ち寄りたくなるような、全世代交流型の仕掛けがある施設をつくる。時が経ってたとえ建物が古くなっても、それが単なる老朽化ではなく、ノスタルジーを感じさせる"古き良き文化建造物"であることが必須条件。
以前に文教こども常任委員会で視察した塩尻市の図書館は、ここに住んでたら毎日でも通いたくなるような、ゆったりと本を読む空間として魅力ある建物でした。デザインも秀逸で、若い人のための研究スペースも充実。
また、長野県須坂市の図書館は、地元の農家の女性達の生涯学習ニーズから生まれた背景があり、歴史ある建物をみんなで大切に使いながら、自然に市民が集まるための仕掛けも様々工夫されていました。シニアも若者も、小さなこども達も、全世代取りこぼしなく。
図書館や生涯学習施設は、ぜひとも、みんなが楽しめ、永い時間にわたって地域に根ざす、良いものをつくってほしい。このプロジェクトは門真のチャンスであり、多くの先人達の夢の実現でもあるのです。
子育てに重点を置くのであれば、なおさら、ずっと先まで見通して、どんなものを作ればこの子達の生涯を、実り豊かな、彩りある人生にできるのか、その一つのコンテンツたる場所になりうるのか。それをとことん追求していただきたいです。
「子育てファミリー」のモデル像にしばられていては、良いものができにくいと思います。市民は皆、年を経てその都度ライフスタイルが変容しながら住まう人々であり、一時的な年齢層にとどまっていることなどないわけで、これからつくる公共施設は、全世代型に。建物は普遍的な魅力あるもの。コンテンツは門真の豊かな市民力を活かせるものであるべきです。
優秀なる市職員PTメンバーの皆さんなら、よりブラッシュアップした、より良い内容を検討してくれると信じています。
いずれにしても、多額の税金を投入してつくる施設です。指摘すべきところは指摘しながら、しっかりと議論してまいります。