ロータリークラブ第2660地区 Rotary希望の扉プロジェクトとして、大阪大学基礎工学研究所石黒浩教授のご講演「アバターとコロナ後の社会」をzoomで拝聴しました。
石黒先生は、ロボットが人間を日常生活の中で支援するロボット社会の実現について研究を積み重ねておられます。
特に、人間型ロボットについて、人間が認識するための理想的なインターフェイスとして、早期から研究に取り組まれ、これまでご自身のアンドロイドをはじめ、有名人のアンドロイドなども発表してこられました。
今後、ロボットにメタレベルの認知機能を持たせることにより、ロボットはどんどん人間らしくなるそうです。具体的な活躍の場としては、レストラン店員、語学教師、高齢者・幼児向け対話、受付、コンシェルジュ、通訳、コンサルタント・・・最終的には、コンパニオン(パートナー)ロボットが実現するのではないかとのことです。
自律的に対話したり、相槌をうったり、会話内でエラーのリカバリをしたり、ほんとうに、人間と区別がつかないような流暢さ、技術の高さに驚かされます。(ロボットの分野においては、日本は世界のトップレベルだそうです)
国のムーンショット計画とアバター共生社会についても解説してくださいました。(私も、令和2年第3回定例会において、この件につき門真市議会本会議で質問しました。)2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現するために、アバター共生社会をつくる、という目標で、遠隔操作するロボット(アバター)を使って、だれでもどこからでも多様な活動に参加できるようにしよう、というものです。このプロジェクトには石黒先生もマネージャーとして名を連ねておられます。
(画像は内閣府のHPより)
2025年の大阪関西万博では、テーマ事業「いのちを拡げる」を担当されておられます。物理会場のロボットアバターと、仮想会場のCGアバターを駆使して「いのち」について忘れがたい感動をもたらす展示を見せてくださるそうです。
人間らしいアンドロイド、アバターと共生する社会は人間(いのち)について考える社会でもあります。大阪関西万博の意義を、「多様な価値観と幸福感で発展する社会」ととらえ、ロボット先進国日本から世界へ、その粋を集めた技術の結晶を、大阪・関西万博で世界中の方々に見ていただくことにご尽力いただいています。
ロボット、アバター、アンドロイドの研究が、ひるがえって、人間とは何か、存在感とは、対話とは、体とは、心とは、生命とは何か、という人間の研究につながっていく、というところがたいへん興味深いお話でした。
石黒先生の研究室のアンドロイドはこちらに。ぜひご覧ください。
https://www.irl.sys.es.osaka-u.ac.jp/robot