2023年1月23日月曜日

夢と希望の教育の取組【小野市】

 河北市議会議長会・先進都市視察等研修に参加し、兵庫県小野市を訪れた。

視察のテーマは小野市独自の取組、「夢と希望の教育」。この内容が、様々なポイントで目から鱗、大いに感銘を受けたので、忘れないうちにブログに記す。







◆小野市の基本理念

「国際社会の中で たくましく活躍できる 心豊かで自立した人づくり」

今、様々な社会の変化が、対応しきれないスピード、規模で、起こっている。その中をこれから生きる子ども達。未来を自ら切り拓いていかねばならない。そのための力をつけることが、すなわち教育であると考えるので、この教育理念には納得、共感する。

(門真市の教育大綱の基本理念は、本市のめざすまちの将来像「人情味あふれる!笑いのたえないまち門真」の実現に向け「子どもを真ん中に、地域みんながつながる門真の学び」です。)

◆脳科学に基づく教育

東北大学教授川島隆太氏が、平成17年10月から、小野市の教育行政顧問に就任。「脳の司令塔」である「前頭前野を鍛える」ことを基本に、「生きる力」を育み、心の教育につなげている。ここでのポイントは、「脳科学」という、科学的な根拠を用いて、施策を組み立てていること。学校も、自信を持って施策をすすめられるし、先生方も同じく、理論的科学的自信を持って教えることができる。保護者も理解できる。つまり、教育の取り組みが、脳科学をベースにすることで、子どもと周りの大人たちが同じ方を向いたベクトルを持てるということ。前頭前野を鍛えるのは、簡単な計算や音読。そして学力だけでなく、基礎体力、家庭学習の習慣化、朝食を食べること、全て、脳科学に基づき、脳を健康に育てて子ども達が夢と希望を叶える学びなのである。親にしたら、自分の子どもの”脳を育てるため”の取組に、反対する人はほぼいないのではないか。そして、それが超難解であれば困るが、基礎が中心であるから、誰もがやりやすいやり方である。

この、脳科学と教育について、とてもわかりやすいリーフレットが作成されている。この内容を、知っているのといないのとで、随分な差が開いてしまうように思う。川島先生の監修に基づく、脳科学の知見。これが保護者全員に配布されているので、読んだ保護者は学校教育に対する信頼も高まることと思う。(A4が8ページ分、川島先生監修。)


https://www.city.ono.hyogo.jp/kosodate_gakko/school/yumetokibonokyoiku/7447.html

◆重点施策1 おの検定

小中学校統一の、小野市独自の検定、おの検定を実施されている。内容は漢字、計算、国語など基礎学力を定着、豊かな心を育むシステム。学力だけでなく、体力も検定に組まれている家庭学習の習慣化や、朝食を食べることも。すべて脳科学という根拠に基づいているので、効果につながることがわかりやすい。驚いたのは、先生方が、独自のテキストを自作されていること。いわゆるドリルだが、市販のものとは違って、現場の先生方ならではの視点で、工夫が施されている。(問題や挿絵や、ヒントなど)これは、保護者としたら感激すると思う。

◆重要施策2 小中一貫教育 16か年教育

小野市では、平成16年から小中連携教育に取り組み、平成28年に市内全校区を小中一貫教育校にしている。(校舎はそのままで、学習内容を小中一貫にしているとのこと)。脳の発達の時期で重要な「10歳の壁」に着目し、特に10歳~13歳の時期に学びの一貫性を確保し、次のステージへ移行できるように、科学的に考えられている。(門真市は、現在、初の小中一貫校建設に向けて、学校の名称募集等、準備中です)

16か年教育とは、「マイナス1歳から15歳まで」。はじめの、おなかの中の赤ちゃんから5歳までは1stステージ。前頭前野が爆発的に成長するこの時期、小野市では教育部と健康増進課が連携して、パパママサロン、7か月児教室、子育て支援教室にも、脳科学の知見が取り入れられている。語りかけ、だっこ、あやしが赤ちゃんの脳を成長させ、心を育てるということだ。

5歳から10歳までの、2ndステージでは、。幼稚園・保育園と連携し小学校生活をスムーズにスタート、ひまわりカードで生活習慣を確立、おの検定で、基礎学力、体力を養い、心を育てるというシステム。10歳~15歳の3rdステージは、再び、脳が急激に成長するゴールデンエイジ。基本理念にも謳われている「自立」に向かう子ども達を家庭と学校で、サポートされている。一貫して、脳科学に裏打ちされたシステムで進めてきているので、理解しやすいと思う。この時期にICT教育も学力向上に活躍します。

◆重要施策3 小野市型学力向上 教育環境整備

自主的な公開授業で、教員の授業力向上につとめている小野市。活用・探求型の学力向上と、理数教育に力点を置いているのがポイント。学校の科目の中で、いちばん重要なのは、国語だと私は考えるが、その次には、「理科離れ」などどいわれて久しい理科、ではないだろうか。特に、子どものころから、科学的思考力は重要だし、動物や植物(生物)にふれて、興味を持つことが必要だと思う。生物に興味を持ち、やがて、医療や、環境、農業や、バイオサイエンス、、、いずれも大変重要な分野の研究に取りくむ人財を育てることが必要。

教育環境整備では、学校と教育委員会の新しい関係を築いているとのこと。教育委員会改革として

①教育委員会の学校定例訪問廃止 ②市の研究指定の廃止 ③学校独自の研究活動のための自由裁量予算(各校50万円)措置 ④教員全員向けの定例教育講演会廃止 ⑤夢と希望の教育推進委員会設置 ⑥卒業式の告示の廃止 ⑦冊子「小野市の教育」をやめて、新たに、リーフレット「夢と希望の教育」を保護者全員に配布

作っておられるリーフレットは、どれも、ほんとうによくできています。(わかりやすく、詳しく、内容が濃く、役に立つ。)自作のテキストをつくられる先生方、良いリーフレットをつくられる教育委員会、感服いたしました。

教育は社会の根幹。本日は、多くを学ばせていただいた。先進事例を参考にさせていただき、門真市の教育向上のために、ともに考え、前に進めるべく、活動してまいります。



2023年1月15日日曜日

関西フィルハーモニー ニューイヤーコンサート in門真

 「ブラボー!!」

思わず叫びそうになるくらい、今日の演奏も素晴らしかった!

関西フィルハーモニー管弦楽団による、『ウィーンと世界のニューイヤーコンサート』。

プログラムは、第1部はヨハン・シュトラウス2世の、喜歌劇「こうもり」序曲にはじまり、「ピチカートポルカ」は、ピチカート奏法のかわいらしい音色を堪能。第2部は、超有名な曲目「カルメン」から、ドビュッシーの「月の光」で美しいメロディーにゆったり夢心地に。最後の「管弦楽のためのラプソディ」は、初めて聴きましたが、びっくり!!オーケストラの、幅広い演奏技術、豊かな表現力が、すごくひろがる曲目でした。

(プログラム全曲は画像をご覧ください)

門真市のルミエールホールに、‟関フィルさん”が拠点を移してきてくださって、約2年が経過。門真に住んでいる私にとって、「自転車で、ちょっとオーケストラを聴きに」という、なんとも贅沢な、芳醇な、ワクワク時間をいただき、ありがたく聴きにいかせていただいております。

本日の演奏会でも、首席指揮者の藤岡幸夫氏が、何度も何度も、「幸せです」と、客席に向かっておっしゃってくださいました。拠点を門真市に引っ越してきて、門真の皆さんにあたたかく迎え入れてもらって、そして練習拠点のルミエールホールに満席のお客様が聴きに来られる、とても幸せです、門真が第二の故郷と思って、これからもコンサートを行っていきます、とのお言葉に、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。

コンサートが終わった後、皆さん口々に、「よかったわ~」「門真で(コンサートを)やってくれはるから、(大阪市内まで出なくていいから)行きやすい」「曲目もよかったね~」と、幸福な笑顔で帰路につかれていました。これはもう、関西フィルと門真市民、相思相愛の恋に落ちている。。と言っていいのではないでしょうか。

これまでも門真市では、門真市音楽協会さん主催の演奏会(稀少な楽器、チェンバロの音色が素敵!)、みんなでつくる門真の第九、ルミエールロビーコンサートなど、クラシック音楽に親しむ機会がありました。ここに、関フィルさんが加わり、オーケストラからソロ演奏まで、さまざまな形でのクラシック音楽を聴かせていただく機会がぐっと増えたわけです。また、クラシックだけではなく、三味線、和太鼓、ギター、歌手、、、いろんなジャンルの音楽家が市内に居られます。

コロナで大打撃を受けた業界の一つが音楽ですが、傷ついた心を癒したり、懐かしさや安らぎ、心地よさを感じたりして、人の気持ちを修復し元気にすることができるのも、また音楽ではないかと思います。

門真市がいよいよ、ますます、音楽があふれるまちに。ありがとうございます。