先週18日(土)は、自民党のローズ会主催の研修会に参加いたしました。
講師は、元摂津市こども育成課参事兼家庭児童相談室長で、臨床心理士の白山真知子先生です。
研修内容は、「児童虐待について」。この、たいへん重いテーマについて、現代の子育て事情や、虐待の現状を分析しながら、個々の事例をひとつでも解決していくための心理的なアプローチ手法の紹介など、盛りだくさんにお教えいただきました。(以下、先生の講義より一部抜粋)
平成27年の現代。全てにおいて、昭和期と隔世の感がありますが、子育て事情もまた、大きく変化しました。都市化、核家族化が進む中、子育てにおいて地域の養育力、祖父母、親戚等の血縁者のサポートが、希薄になっていることは否めません。
虐待には、①身体的虐待 ②ネグレクト ③性的虐待 ④心理的虐待 があり、そのほかに揺さぶられっこ症候群、代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP)などがあります。
なぜ虐待が起こるのか。一般的にその発生要因は、社会的、心理的、精神医学的に、さまざまな要因の複合的なものと考えられています。
①親の心の問題 ②家庭の社会経済的要因 ③周囲からの孤立 ④子ども側の要因 ⑤親とその子の関係 ⑥親の怒りを引き出す「その時の状況」
これらの因子が、複合的に絡み合った時に虐待は生じると考えられるので、本来であれば、そう簡単に起こるものではないともいえます。すなわち、「虐待のリスク因子」≠「虐待の発生」
虐待を受けた場合、“こころ”への影響が大きく、いやされるまでには虐待年数の10倍かかる、といわれています。低い自尊感情、攻撃性、いろいろな発達障がいを引き起こし、非行などさまざまな問題が生じてきます。
子どもは、親から見捨てられるのではないか、という恐怖のほうが、身体的な傷よりも、大きく、痛いのです。
解決に導く策の一つとして、オーストラリアや英国、アメリカなど、諸外国で導入がすすんでいる手法が、「
トリプルP」というもの(Positive Parenting Program)。前向き子育てと訳されています。
また、虐待ハイリスク親への回復支援プログラムとして 「
My Tree ペアレンツプログラム」というプログラムもあります。
門真市では、比較的早くから子どもの虐待問題に前向きに取組んできました。
さまざまな角度から、虐待につながる要因を減らすことに取組むとともに、子ども達をまもるために親世代が、親として育っていかなければなりません。そのためには、地域の力も必要です。
情報が容易にネットで得られる環境とはいえ、やはり子育てはバーチャルではありません。近くに頼れる人がほとんどいない状況では、常に不安だと思います。
白山先生のお話の中で、「虐待は、連鎖しない」というお言葉がありました。
ただし、「わかってあげる人が、そばに一人でもいたならば」。
門真市では、さまざまな子育ての悩みについて、
相談窓口を設けています。
ひとりで悩まないで。みんなですくすくかどまっこを育てていきましょう(*^_^*)
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白山真知子先生 |