門真市民プラザにて、松下記念病院 市民公開講座 「認知症 ~正しい理解と予防~」が開催され、聴講しました。
日本の平均寿命は年々伸びています。健康寿命との開きは男性で約8.8年、女性で約12.4年あり、要介護状態になる原因のうち最も多いのは認知症だそうです。
認知症とは、記憶、視空間認知、遂行機能、言語などの高次脳機能が、以前の水準より低下した状態です。
基本的生活動作である入浴や着替え、食事、排せつ、起居動作などがひとりではできなくなり、手段的日常動作である料理、そうじ、買い物、公共交通での移動、金銭やお薬の管理などがむずかしくなります。
最も症例が多いのはアルツハイマー型で、全体の55%、もの忘れからはじまりゆっくりと進行します。「物とられ妄想」や失語、徘徊などが現れます。画像診断により、発症初期から診断が可能になってきました。
次に多いのは、レビー小体型で、15%、ないものが見える幻覚やパーキンソン症状、レム睡眠行動障害がみられます。
物盗られ妄想など、行動症状が現れた場合、周囲の人は指摘や注意をしないことが肝心です。「何が事実か」を言い争わない、言動を否定しないようにしましょう。(物盗られ妄想の場合は、「一緒に探そうね」と言って、見つかれば「ここにあったね!よかったね」)
予防について。認知症は、糖尿、喫煙、高血圧、身体的不活動などに要因リスクがあるそうです。なかでも、「運動習慣」は重要で、運動習慣がある人は、ない人よりも、発症率が41%低い、と教えていただきました。
予防のポイントはこの3つです。☆適度に運動習慣を保つ☆食事はバランスよく(多様性があるほど良い)☆社会的孤立を避ける
認知症の患者さんは日本に約600万人おられると言われ、2025年には700万人とも推定されています。完治が難しく、さまざまな心理症状、行動症状がともなうだけに、介護される方もたいへんな状況の方もとてもたくさんおられると拝察します。介護については、ご家庭の中だけで完遂させようとされるよりも、専門家の知見をお聞きしたり、相談して手助けしてもらう、家族の集まりで気持ちを共有する、などさまざまな選択肢もありますと教えていただきました。
患者さんはご不安を抱えておられる状態、という病気の理解をしながら、さりげない会話や、感謝を伝える「ありがとう」などあたたかな言葉での会話、昔の写真など見ながら、楽しいことや誇れることを話すといいですよとのことです。励ましや正しさの指摘をしないように気を付けましょう。
認知症サポーターのオレンジリングは持っておりますが、知識は常にアップデートした方がいいので、本日の講座で認知症について詳しく教えていただき、たいへん勉強になりました。市民講座として、近所の公共施設で無料で専門的なお話が聞けることは、たいへんありがたいことと思います。松下記念病院の先生方、スタッフの皆さま、ありがとうございました。