本日は、門真ロータリークラブの例会日。
卓話は、精神科医 木下利彦先生による、「無意識の世界」。
人は、覚醒している時は、意識下にいますが、睡眠時は、無意識の中に、時々、はいっているものだそうです。
加藤周一氏の著書「20世紀の自画像」によれば、20世紀の学問と文学芸術は、最初の10年に多くの発見、研究がなされたそうです。その中でもフロイトによる心の研究は、とても有名なもの。
フロイトによれば、「無意識」の特徴は「相互の矛盾と否定の欠如」。難解ですが、矛盾も否定も、ない、という考え方は、新鮮で興味深いです。意識下では、常に、矛盾や否定は、はっきり存在しているものですから。
フロイトを訪ね、後に決別した、カール・グスタフ・ユングもまた、無意識論を発表しています。
ユングの無意識論によれば、意識は、層構造を成していて、上層階から順に、「意識」「個人的無意識」「家族的無意識」「文化的無意識」「普遍的無意識」
無意識、に、文化や普遍的なものがある、というのは、不思議です・・。
ユングによれば、さらに、意識と、無意識の間には、心的エネルギーがやりとりしているのだそう。このあたり、目に見えないだけに、何とも不可思議、しかし、同時に神秘的でもあり、興味をひかれるところ。
そして、ベストセラー作家、村上春樹氏の作品には、無意識下でのシンボルと思われる表現が、多用されていて、それもまた、氏の作品の人気が高い理由の一つでは、という分析があるそうです。
内容が難解で、すっと理解できませんでしたが、人間の心理の深層を垣間見たようで、おもしろく聞かせていただきました。
このような異分野の専門的なお話を、30分間の卓話として聞かせていただけるところが、ロータリークラブの大きな、かけがえのない魅力です。(*^_^*)