2020年6月26日金曜日

コロナ禍における文化・芸術活動の支援策について

6月議会一般質問より抜粋

《質問》

コロナ禍における文化・芸術活動の支援策について、お伺いします。

コロナウィルス感染症は、人類のあらゆる活動という活動を、突として、中断させました。文化・芸術活動についても、国内初の感染者が発表されてから、わずか1か月ほど後の2月半ばより、多くのイベントや展示会などが延期や中止の措置を取り始め、2月20日に厚生労働省が「イベントの開催に関する国民の皆さまへのメッセージ」を発表したのちは、大規模イベントのみならず、ありとあらゆる文化・芸術活動が中止せざるを得ない状況となりました。


平成29年6月に改正された、文化芸術基本法においては、基本理念を定めた第2条において、文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることに鑑み、国民がその年齢、障害の有無、経済的な状況または居住する地域にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるような環境の整備が図られなければならない、と記されています。また、同法の規定に基づき作成された文化芸術推進基本計画においては、文化芸術が有する本質的価値として、文化芸術は、豊かな人間性を涵養し、想像力と感性を育む等、人間が人間らしく生きるための糧となるものであること、とまで表されています。


これらの条文ににじみ出ているのは、文化芸術が、人々の暮らしの中に、なくてはならない必要不可欠な存在であるという強烈な思いであり、その営みを絶やすようなことは、決してあってはならないというメッセージだと理解しています。


コロナ禍においては、ドイツ連邦政府の文化大臣が、アーテイストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだと、いち早く表明した1兆円を超える文化支援が話題となりました。日本においても、感染拡大により、わずかな期間に危機的状況に追い込まれた文化芸術活動について、行政はありとあらゆる手だてを用いて、その再開、存続、発展を全力で支援していかなければなりません。発表機会と収入が著しく減少したアーティストへの直接的な支援はもとより、今後の活動で人数制限を行った場合、より大きなスペースを確保することで増額する利用料への支援策も必要です。今回のコロナショックで、アーティストの生活と精神は、相当大きなダメージを受けておられると思いますし、市民が参加する、鑑賞するチャンスも消失してしまいました。


人間らしく生きる糧たる文化芸術を、見放し、消滅させてしまうようでは、市民の生命を見殺しにしているのと同じことです。


コロナ禍において、壊滅的な痛手を受け、今なお回復の兆しが見えず、これからの活動を手探りで模索している文化・芸術活動について、市は、どのような支援策を行い、これから行おうとしているのか、お聞かせください。

 

 《答弁》


池田議員の御質問につきまして私より御答弁申し上げます。

 

まず、コロナ禍における文化芸術活動の支援策についてであります。

 

門真市民文化会館ルミエールホールをはじめとする文化施設では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、市からの休館要請を受けたことに伴い、開催予定であったイベント等は中止せざるを得ない状況となりました。

 

このような中、文化芸術活動への支援やイベント主催者等への経済的負担を軽減する観点から、指定管理者と協議を行った結果、通常必要となるキャンセル料を徴収せず、今年度内に限り予約した利用日の変更を可能とすることや、既に支払済みの施設利用料について全額返還することといたしました。

 

また、開館後における人数制限に伴う施設利用料の減額につきましては、指定管理者の収入の減少に直結することとなり、文化・芸術活動の拠点としての社会的役割の継続性を確保していく上で、実施は困難であります。

 

今後におきましては、新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインなどを踏まえた運用を指定管理者とともに講じることにより、利用者に文化芸術活動を継続して行える環境を提供できるよう努めてまいります。

(写真はルミエールホール玄関です)