こちらは、NBC災害対応の専門部隊で、NBCとは、N=核、放射能(nuclear)、B=生物(biological)、C=化学物質(chemical)による特殊災害のことです。
最初に、部隊の説明DVDと、東日本大震災時に原発火災対応で出動された時のドキュメントDVDを見せていただきました。
原発の映像では、たいへん過酷な現場で迫り来る緊張感がまざまざと映し出されていました。見ているだけでも息をのむような緊迫感でした。
その後、防護衣を見せていただきました。
黄色のは、毒劇物防護衣。4層構造で、重さ5.8キロあります。さらに約15キロある圧縮空気ボンベを担ぐので、日頃から鍛錬していないととても活動できるものではありません。
橙色のは、陽圧防護衣、5層構造で、対薬品性能が高いもの、重さは約8キロとのこと。
緑色のは、放射能防護衣で、こちらは、活動時間を短くしなければならない現場のため、軽量につくられています。
次に、資器材を説明していただきました。LCDという、サリンや青酸ガスなどを検知する検知器、GXという可燃性ガス、引火性ガスを検知する検知器、アンモニアなど26種類のガスを検知する検知菅、ハズマットIDという器械は20万種類以上の物質が分析できるそうです。
さらに、特殊車両も見せていただきました。300ℓの水を積み、温水にして除染ができる除染車、小型ロボットを積み内部は陽圧構造になっている偵察車、車両全体が、鉛と水とで放射能を防ぐ構造になっている、N災害専用の特殊災害対策車。
いずれの車両も資器材も、日頃の平時に弛まぬ訓練を積み重ねているからこそ稼働できるのだと思います。地道な訓練を繰り返し行っておられる隊員の皆さまには、心からの敬意を表します。視察時も敷地内では、多人数の大規模な訓練が行われていました。
守口市門真市消防組合でも、NBC災害に対応する資器材、防護衣など、一定の装備はされています。ガス漏れや有毒ガスの危険がある場合、火災時など、ガス検知器を使用する場面は時々あるそうで、全車両に積まれています。また、今年の3月には、消防本部でC災害合同訓練を実施しています。
今回の視察では、人命救助のための車両や資器材を数多く拝見し、現場の最前線の皆さまに詳しく説明していただいて、消防組合議員として知見を深めることができました。市民の生命を守る消防行政がより良い方向に向かうよう、いただいた情報をしっかりと活動に活かしてまいります。
最後に、防護衣を説明してくださった、生まれも育ちも足立区の江戸っ子 斎藤さんと、車両を説明してくださった寝屋川市出身、京阪電車が大好きな古木さんに、記念のショットをいただきました。
ありがとうございました!