《この記事は、池田治子の私見です》
本日、8月1日早朝、門真市の中学生9人が、オーストラリア アデレードに向け、旅立った。「門真市中学生海外派遣研修」で選ばれた、市内中学に通う2年生、3年生の諸君だ。
この事業には、私が所属する門真ロータリークラブが、協賛(参加賞と賞品を提供)している。その関係で、3年前から私はこの事業に関わり、注目してきた。
自分が中学生の頃を思い出すと、「オーストラリアに10日間行ってホームステイすること」は、どれだけ壮大で、とりとめなく、実現できそうもない夢絵空事、であるだろうか。昭和50年代とは時代が違うとはいえ、それでもやはり、個人の家庭で中学生の子どもに経験させるには、さまざまな意味でハードルが高い。
門真市が実施しているこの事業は、海外派遣のチャンスを自ら掴み取るために、学生個々が英語学習を重ね、スピーチコンテストに参加して、その最終プレゼンテーションで上位の優秀者として選ばれた中学生だけが、この研修に参加できるもの。もちろん、コンテストに参加するチャンスは、全ての中学生に、平等にある。自らの能力と努力の結果で、今日の出発に結びついているのだ。
海外でのホームステイ経験が、今後の彼らの人生において、大きなプラスをもたらすであろうことは言うまでもない。この先、ますます英語学習に意欲を燃やす子、国際的な方面で活躍する子、性格が積極的に変わっていく子・・いろんなプラスが、彼らの内にもたらされ、成長の大きなステップのひとつとなるだろう。
この事業はそもそも、現門真市副市長 川本雅弘氏が、教育分野の新規事業として主導的に立ち上げたと伺っている。斬新な着眼点、そして学校教育部と所管担当の生涯学習部の連携事業であることから、最初の開始には相当な決断力が必要であったことは想像に難くない。あらためて、川本副市長に深く敬意を表するところである。
また、門真ロータリークラブの一員として私は、生涯学習部の課長補佐 清水智覚氏が、関係者間の調整で走り回り、この事業に並々ならぬ情熱を持って取組んできた姿をずっと見てきた。彼を中心とする若手の現場チームの、信念に基づいたモチベーションがあったからこそ、事業は継続され、実施年を重ねるごとに拡大発展が見込まれている。
今日、アデレードに夢いっぱいに旅立った9人の子どもたち。そして、海外派遣には結果として行けなかったけれども、「チャンスを目指し、自ら努力する」という貴重な経験を積んだ、市内の中学生たち。彼らが、この門真市で培ったこの経験をばねに、大きく大きく、広く世界へと羽ばたいていくこと。そして、日本の、いや世界のどこで活躍していても、心の中には門真市の中学校での経験をたいせつにしまっていて時々思い出す、そんな未来がすぐに来ることを確信しながら、関空へのバスを見送った朝であった。