本日は、ホテル阪急エキスポパークにて開催されました、第55回大阪府市議会議員研修会に参加いたしました。
研修会では、神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー 元ラグビー日本代表監督 平尾誠二氏のご講演「『気づかせて育てる』へ」を拝聴しました。
平尾氏は、1963年生まれ。高校時代のラグビーの試合のエピソードなどを随所に交えながら、永年の経験に基づいたリーダー論を、熱く語ってくださいました。(以下、抜粋して箇条書きで紹介します)
・氏の考えるリーダーの条件は4つ。
�専門性 人をひきつける力になる
�人間性 人の痛み、気持ちをを知る力を持っている
�一貫性 誰(目上・目下)に対しても同じように接する
�怒ったらこわいだろうなと、思われる人
この4つが、バランスよく揃っていればいいが、そういう人物はなかなか居ない。しかし、リーダーになる人は、ある程度はそろっていてほしい。
・コーチや監督を任命するとき。
目の前で起こっている、良くないことに対して、「やめろ」「それは違う」と言えない人は、チームの秩序を守ることができない。悪くなることがわかっていて放置する人は、責任感がない。リーダーにそぐわない。
・日本人のメンタリティの良いところは「我慢強い」「チームのため、人のためにがんばる」こと。大好きな人のために働いて、その人の喜んでいる顔を見るのが喜び、という文化は日本人ならではのもの。
・家庭内教育が基本。「うそをつくな」「やられていやなことはやるな」「教室で騒ぐな」・・など、基本的なことは家庭で教えておくべき。しかし、現在は父親の威厳がなくなっている。
・今の親は、ファンのごとく、試合の応援にくるが、昔は親にきてほしくなかった。今の友達同士みたいな親子は、おかしいのでは。
何でも、友達同士となり、多様なる人間関係が構築できていない。
・高校の時にキャプテンになった。先生と選手の「板挟み」。この折り合いの付け所を探すことが、いちばん、鍛えられた。折り合いと妥協は違う。妥協は簡単。折り合いは、高いレベルのヒューマンスキル。
・子どもの前から理不尽なものを排除しても、社会にでれば、理不尽なことは避けられない。経験不足でいきなり強烈なものに当たると、心が折れる。愛情を持って、経験を積ませることは重要。
・人間のいいところは、心と心がつながっているところ。機械ではありえない。愛情を持つことがいちばん大事。
ユーモアもちりばめながら、豊富なラグビー経験に基づいて、楽しく熱意あるお話を聞かせていただきました。スポーツチームで培われた、リーダーシップ論。私どもの日々の活動の中でも、活かせていけるヒントがたくさんあったように思います。ほぼ、同年代ということもあり、話が腑に落ちる場面が幾つもありました(*^_^*)
なお、講演後の質疑応答も、たいへん興味深い内容でした。(以下、要旨)
Q 政治について思うことは?
A 一市民として政治に対して思うこと。国民の声が政治に届いてるのか。安保法案では、若い人たちが政治に興味を持った。臨場感のある政治活動がのぞまれる。また、メディアの健全性も大事である。
Q 昔と今の、指導方法の違いは?
A 今の選手は「いい奴」ばっかり。ひねくれた奴がいない。反発係数がなくなっている。叱るよりほめる、というのは今、正しい。反発係数がないから、叱っても効果がない。壁が越えれない。自分探しの旅に出かけて帰ってこない。反発係数がないから、ある時期に手を引っ張って、越えさせる。そのとき、ほめることも有効になる。
Q ラグビーを広めることについて考えは?
A ラグビーを広めていくには、ラグビーを知ってもらう機会をつくっていかなければならない。ラグビーは、おもしろい。知っている人は知っている。今回の日本代表の活躍は、知ってもらういいきっかけ。
Q メディアにいろいろと言われるのをどうやって乗り越えたか?
A 慣れ。自分は、悪意を持ってやってるわけではない。スポーツ界のことを思ってやっていること。一貫性を持って、正義をもってやっていれば、言われても気にすることはない。